ペースメーカー装着で認定される障害年金の等級
目次
「ペースメーカーを装着すれば、自動的に障害年金3級になるの?」
「初診日に国民年金だった場合も受給できる?」
「仕事を続けていると、障害年金は認められない?」
等級の目安だけでなく、初診日に加入していた年金制度が受給可否を大きく左右します。障害厚生年金には3級がありますが、障害基礎年金には3級がないためです。
この記事で分かること
- ペースメーカー・ICD・CRT・CRT-Dの等級の目安
- 初診日の加入制度によって受給可否が変わる理由
- ペースメーカー装着日と障害認定日の関係
- 診断書や審査で確認されるポイント
この記事の結論
一般的な心臓ペースメーカーまたは植込み型除細動器(ICD)を装着した場合、認定基準上の目安は原則3級です。心臓再同期医療機器(CRT)または除細動器機能付き心臓再同期医療機器(CRT-D)は原則2級とされています。
ただし、装着だけで支給が決まるわけではありません。初診日、保険料納付要件、障害状態の基本要件を満たす必要があります。
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ペースメーカー装着で認定される等級
日本年金機構の「心疾患による障害」の認定基準では、装置の種類ごとに次の目安が示されています。
| 装置の種類 | 等級の目安 |
|---|---|
| 心臓ペースメーカー | 原則3級 |
| 植込み型除細動器(ICD) | 原則3級 |
| 心臓再同期医療機器(CRT) | 原則2級 |
| 除細動器機能付き心臓再同期医療機器(CRT-D) | 原則2級 |
等級は認定基準上の目安です。基礎疾患、症状、検査所見、一般状態、日常生活上の制限も含めて総合的に判断されます。
初診日の加入制度で実際の受給可否が変わる
ペースメーカーで「原則3級」とされても、すべての方に3級の年金があるわけではありません。障害年金の種類は、原則として初診日に加入していた制度で決まります。
| 初診日の年金制度 | 対象となる障害年金 | 等級 |
|---|---|---|
| 厚生年金 | 障害厚生年金 | 1級・2級・3級 |
| 国民年金、20歳前など | 障害基礎年金 | 1級・2級のみ |
厚生年金加入中に初診日がある方は、一般的なペースメーカー装着により3級を検討できます。一方、国民年金加入中の初診で状態が3級相当にとどまる場合は、原則として支給対象になりません。全体の状態が2級以上に該当するかを確認します。
初診日は通常、装着日ではなく、原因となった不整脈や心疾患で初めて医師の診療を受けた日です。
装着日が障害認定日となる特例
障害認定日は、原則として初診日から1年6か月を経過した日です。ただし、ペースメーカーまたはICDを装着した日が初診日から1年6か月以内である場合は、装着日が障害認定日となります。
初診から1年6か月を待たず、装着日を基準に請求を検討できます。一方、初診から1年6か月を過ぎて装着した場合、装着日が当然に新たな障害認定日になるわけではありません。
診断書と審査で確認されるポイント
申請には、原則として「循環器疾患の障害用」の診断書を使用します。主治医には装置の種類と装着日だけでなく、次の内容を正確に記載してもらうことが重要です。
- 基礎疾患とこれまでの治療経過
- ペースメーカー、ICD、CRT、CRT-Dの種類と装着日
- 動悸、息切れ、胸痛、失神、疲労などの症状
- 心電図、左室駆出率、BNPなどの検査所見
- 日常生活の活動範囲や、家事・外出に必要な援助
- 勤務時間、業務内容、配置転換、休職など就労上の制限
重い物を持てない、長時間歩けない、通院のため勤務調整が必要など、装着後も残る制限を病歴・就労状況等申立書に具体的に記載します。
ケース別に見る注意点
厚生年金加入中に初診日があり、一般的なペースメーカーを装着した場合
要件を満たせば、障害厚生年金3級を検討できます。働いていることだけで対象外にはなりません。
国民年金加入中に初診日があり、一般的なペースメーカーを装着した場合
3級相当のみでは障害基礎年金の支給対象になりません。心不全などの基礎疾患、日常生活能力、検査所見を含め、2級以上の状態に該当するかを慎重に確認します。
CRTまたはCRT-Dを装着した場合
認定基準上は原則2級です。ただし、装着の事実だけで受給が確定するわけではなく、初診日と保険料納付要件も必要です。装置名が診断書や手術記録で正しく確認できるようにします。
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「3級の目安」と「実際に請求できる年金」は同じではありません。初診時の加入制度と医療記録を確認し、請求方法を整理します。
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よくある質問
ペースメーカーを装着すれば自動的に3級になりますか?
自動的に支給が決まるわけではありません。一般的なペースメーカーは原則3級の目安ですが、初診日、保険料納付要件、診断書などを審査したうえで決定されます。
初診日が国民年金加入中でも受給できますか?
障害基礎年金には1級と2級しかありません。一般的なペースメーカーによる3級相当だけでは原則支給されず、基礎疾患を含む全体の状態が2級以上に該当するかが問題になります。
働きながらでも障害年金を請求できますか?
請求できます。就労している事実だけで不支給になるものではありません。勤務時間、業務内容、職場の配慮、欠勤や休職などの実態も審査資料になります。
電池交換や本体交換をした日が障害認定日になりますか?
通常、交換日を新たな障害認定日として扱うものではありません。最初の装着日と初診日との関係を確認します。
ペースメーカーを何年も前に装着していても請求できますか?
現在も要件を満たす場合は請求を検討できます。過去分を請求できるかは、障害認定日当時の診断書や医療記録を用意できるか、当時の状態が基準に該当したかによって変わります。
ICDもペースメーカーと同じ等級ですか?
植込み型除細動器(ICD)は、認定基準上、一般的なペースメーカーと同じく原則3級です。ただし、基礎疾患や全身状態も総合的に判断されます。
CRT-Dは通常のペースメーカーと同じ扱いですか?
異なります。CRT-Dは除細動器機能付き心臓再同期医療機器で、認定基準上は原則2級です。診断書で装置の正式名称を確認しましょう。
参考資料
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